
Werner Herzog Film
ヴェルナー・ヘルツォーク監督 × ファミリーロマンス創業者 石井裕一 主演。
第72回カンヌ国際映画祭 公式選出。全てが嘘でも、感情は本物——

2019年、ドイツの巨匠ヴェルナー・ヘルツォーク監督が、ファミリーロマンスの創業者・石井裕一を主演に迎えて撮影した長編映画。第72回カンヌ国際映画祭スペシャル・スクリーニング部門で世界初上映され、世界中の映画祭で話題となった作品です。
「家族レンタル」という日本独自のビジネスをテーマに、現代社会の孤独、人間関係、そして「真実」とは何かを問いかける、ドキュメンタリーとフィクションの境界を曖昧にした実験的な作品として高く評価されています。
Rotten Tomatoes 批評家コンセンサス
「人間のつながりに関する魅力的な探求。ヴェルナー・ヘルツォークは実存主義への型破りな道を辿る」
73%(55レビュー) / 平均 6.6/10

12歳の少女・まひろは、幼い頃に行方不明になった父親のことをほとんど覚えていない。そんなまひろのために、母親は「父親」をレンタルすることを決意する。
代々木公園で待ち合わせた石井裕一は、まひろに「私はあなたの父親です」と告げ、長年会えなかったことを謝罪する。最初は戸惑うまひろだったが、次第に石井を父親として受け入れていく。
しかし、これは全て演技——石井裕一は「ファミリーロマンス」という会社を経営し、家族や友人、恋人など、あらゆる人間関係を代行するビジネスを行っている。
「毎日、不安を感じている」——演じることと本物の感情の境界が曖昧になっていく

結婚式代理出席
義理の父として参列

リア充アピール代行
歌舞伎町での撮影

宝くじ当選の追体験
最高の瞬間をもう一度

謝罪代行
職場ミスの責任を代行
物語後半、舞台は青森へ。波しぶきが舞う海沿いの絶壁で、石井はまひろの母親と向き合う。母親は石井に「一緒に暮らさないか」と提案するが、石井は「もう終わりにしなければ」と告げる。
最終的に石井は、まひろの「父親」の葬儀を提案する——架空の父親を「死なせる」ことで、この関係を終わらせようとするのだ。




石井裕一
Yuichi Ishii — 主演
ファミリーロマンス社 創業者・代表取締役
映画では本人役として出演し、実際の業務と変わらない「代行」を演じる。ヘルツォーク監督は300時間以上の映像を撮影し、石井の自然な演技を引き出した。
批評家は「本質的な感情的知性と誠実さがスクリーンから伝わってくる」「説得力のあるキャラクター」と絶賛。
「演技ではなく、真心です」——石井のこの言葉が、映画全体のテーマを象徴している。
12歳の少女・まひろ役
本作が映画初出演だが、自然な演技で高く評価された。石井との関係は驚くほどリアルで、二人の絆は観る者の心を打つ。
批評家は「天性の女優」「脆弱性を表現する能力が印象的」「常に信じられる演技」と絶賛。石井との共演は「驚くほど本物に感じられる」と評価された。

谷本真広
Mahiro Tanimoto — まひろ役
その他、映画には多数のアマチュア俳優が出演。ほとんどが演技経験のない一般人。
ヘルツォーク監督は「彼らの自然な演技こそが、この映画の真実性を生んでいる」と語っている。
Production
映画化のきっかけは、ヘルツォーク監督のローグ・フィルム・スクール(独立系映画学校)の元生徒、ロック・モリンが書いた石井裕一のインタビュー記事だった。
The Atlantic誌に掲載されたインタビューが、ヘルツォーク監督の目に留まる。
「これは大きい。すぐに映画を作らなければ」——ヘルツォーク監督はモリンにそう告げた。モリン自身は長編映画を撮る準備ができていないと感じていたが、ヘルツォーク監督が「では、私が撮ろう」と提案した。

石井 裕一
Founder & CEO


撮影方法
監督自身が小型カメラで撮影
クルー
最小限(音声担当など数名のみ)
総素材
300〜350分
完成尺
89分
「私は日本語を話せない。だからこそ、より本物の雰囲気を大切にした」——ヘルツォーク監督は通訳を介して指示を出したが、撮影中はライブ翻訳を聞かず、役者の表情や雰囲気だけでテイクを選んだ。
重要なセリフだけを事前に決め、残りは役者が状況に応じてアドリブで演じた
「通常のハリウッド映画のように全てのセリフが書かれた脚本ではない」
電話の着信音が鳴ったシーンでは、リテイクせずにそのまま採用——「現実が侵入する」ことを許容した

石井が叱責されるシーンは1テイクで撮影。撮影許可を取っていなかったため、警備員が来る前に撮影を終えてすぐに現場を離れた。

葬儀場で働く本物のスタッフをそのまま起用。棺の大きさを確認したり、石井が実際に棺に入ったりする意味深なシーン。

グラビア女優が偽カメラマンを雇って撮影するシーンでは、実際の通行人が振り向いたり、写真を撮ったりする様子がそのまま映像に残された。

ヘルツォーク監督手製の巨大な宝くじ当選券が登場。センスあるコミカルなデザイン。


Ernst Reijseger — 作曲
レイセゲルは、ヘルツォーク監督の前作『世界最古の洞窟壁画 忘れられた夢の記憶』(Cave of Forgotten Dreams)でも音楽を担当。
チェロを中心とした哀愁漂うスコアが、映画の「非現実感」を増幅させている。批評家は「静けさの雰囲気を高める穏やかで緊張感のある音楽」と評価。

現代日本社会における孤独の深刻化。家族や友人をレンタルするビジネスが成立する背景には、人とのつながりを求める切実なニーズがある。

「全てが嘘でも、感情は本物」——ヘルツォーク監督は「全てが演技で、全てが作り物で、全てが嘘だが、ただ一つ本物なのは感情だ」と語っている。

石井は他人を演じ続ける中で、「もしかしたら自分の両親も誰かが雇った役者かもしれない」と疑い始める。自分が何者なのか、という根本的な問い。

ロボットホテルのシーンでは、ロボットが全ての役割を担う未来について言及。「ロボットは夢を見るのか?」という問いかけが、人間の存在意義を問う。
「ヘルツォークのキャリアで最も実験的な作品の一つ。現実と虚構の境界を曖昧にする手法が見事」
— Letterboxd
「2010年『世界最古の洞窟壁画』以来のヘルツォーク監督最高作」
— Rotten Tomatoes
「驚くべき映画。日本語を話せないという事実が、かえって本物の雰囲気を生み出している」
— Roger Ebert.com
「人間の存在に関する根本的な問いを投げかける、美しくシームレスにフィクションと現実を混ぜ合わせた作品」
— Film Constellation
「ヘルツォークの基準からすれば不均一で、技術的に粗削り」
— Variety
「ドキュメンタリーとして撮った方が良かったのでは。ヘルツォークの皮肉な語りが恋しい」
— Screen Daily
「前半は素晴らしいが、後半は予測可能な展開に陥る」
— The A.V. Club
クリックで拡大表示
Film Festivals
15ヶ国以上の映画祭で上映・招待
🇸🇪
Faro Island Film Festival
フォーレ島映画祭(スウェーデン)
映画の巨匠イングマール・ベルイマンゆかりの島、フォーレ島(スウェーデン)で開催される映画祭。世界中の気鋭の映画人が集う名門映画祭で、石井裕一が新人賞にノミネートされた。俳優としての初出演でありながら、映画祭の審査員から高い評価を受けた栄誉ある選出。
第72回カンヌ国際映画祭
スペシャル・スクリーニング部門
バイオグラフィ映画祭
第46回テルライド映画祭
第24回釜山国際映画祭
ケンブリッジ映画祭 / ロンドン映画祭(BFI)
ボアズィチ映画祭
モントリオール・ニュー・シネマ国際映画祭
バージニア映画祭
コーク映画祭
セビーリャ映画祭
インヴァネス映画祭
ホーフ国際映画祭
マル・デル・プラタ国際映画祭
レトランジュ映画祭
モンドヴィジョン部門
サハリン国際映画祭
ノミネート
2020年6月、MUBIが北米、ドイツ、ラテンアメリカ、トルコ、オーストラリア、ニュージーランド、日本での権利を取得。
2020年7月3日
24時間限定無料配信。ヘルツォーク監督による5分間のイントロ付き
2020年7月4日〜
MUBI独占配信開始
2019年11月に1日限定の特別上映が行われたが、劇場での一般公開は未定。COVID-19パンデミックの影響で劇場公開が中止となった。

Werner Herzog — 1942年 ドイツ・ミュンヘン生まれ
ヘルツォーク監督は「映画よりも読書を勧める」と語り、自身の著書で記憶されたいと考えている。
「斬新な映画スタイル。装飾していない自然なパフォーマンスに感銘を受けた。バイオリンの音楽と映画の雰囲気が完璧にマッチしている」
カンヌ映画祭 観客
「面白いドラマ。日本の人種差別について少し洞察があるのが良かった。映画の最後の数分が最高」
カンヌ映画祭 観客
「原題の孤独社会を浮き彫りに。幻想的で美しい映像。他のキャストも無名だが、映画の雰囲気と合っており素晴らしい」
カンヌ映画祭 観客
「ヘルツォークは孤独な人々の冷静な観察者であり、判断する傾向はない。満開の桜で溢れる東京上空のドローンショットが、無数の匿名の個人が自分の人生について走り回っている様子を映し出す」
— Rotten Tomatoes
「現実に基づいて脚本と彫刻が施された話。アーネスト・レイセガーの穏やかで緊張感のあるチェロスコアが静けさの雰囲気を増している」
A. MUBIでのオンライン配信が主な視聴方法です。日本での劇場公開は未定です。
A. 現時点では日本でのDVD・Blu-ray発売は未定です。情報が入り次第、当ページで告知いたします。
A. はい、可能です。映画化に至った詳しい経緯、台本を公開しないヘルツォーク監督のこだわり、撮影秘話など、多くの情報を提供できます。下記のお問い合わせフォームからご連絡ください。
